智代アフター 〜It's a Wonderful Life〜(Key)
あらすじ
学校を卒業して町の廃品回収屋に就職した岡崎朋也は
アパートを借りて一人暮らしを始め、恋人の坂上智代と蜜月の日々を送っていた。
そんなある日、智代の弟の鷹文が父親の隠し子、ともを連れてくる。
ともは母親に置き去りにされており、
やむなく朋也と智代が保護する事となった。
さらに夏休みを目前にして、鷹文の昔の彼女、河南子も
家を飛び出して朋也のアパートに転がり込んでくる。
朋也、智代、とも、鷹文、河南子――
この5人で過ごす、最初で最後の夏休みが始まる。
※公式サイトより引用、一部加筆
システム
「CLANNAD」とは基本的には同じです。
少し変わっている所と言えば項目ごとに画面があるのではなく、
一括で設定できるところでしょうか。
いちいちタブを選択する必要がなくなったので○ですね。
あとはボイス関連の選択項目が出来た事ですが、これは特筆することでもないです^^;
セーブファイルは30と大分少ないような気がしますが
ボリュームが少ないので使い切ることは無いでしょう。
自分も10個使ってないですし。
あと、これとは別にクリア後のおまけで出るSRPG(SLG?)のセーブは5個あります(笑
個人的趣向ですが、やっぱりマウスホイールでメッセージ送れないのは悲しいなぁ。
グラフィック
今までと違い、原画が樋上いたるさんではなくフミオさんになっています。
いわゆるいたる絵も良かったですが、個人的にこの変更はクリティカルヒットでした。
ギャグ顔とかはいたるさんの画風ではちょっと辛いですしね^^;
★CG
CGは差分抜きで40枚。差分込みで72枚です。
……ボリュームは「CLANNAD」の10分の1近いのに枚数はあんまり変わらないというのがなんとも(ノ∀`)
流石は最大手といったところで、塗りとかそういうのはもう完璧なんじゃないかと。
えちぃシーンまでしっかりと描いてあります。
いや、もう、Keyでエロいというのはどういうことかと錯乱してしまいます(ぇ
★立絵
立絵もほとんど完璧な出来だったんじゃないでしょうか。
CGとの違和感も全くといっていいほどありませんし、ボリュームに対しても数が豊富で、
ラッキー鷹文とか覆面変質者鷹文とか面白いものもあります。
それにしてもともの幼稚園の制服はどうにかなりませんか?
おじちゃんあれ見るたびに「CLANNAD」の汐を思い出して泣き出しそうになるんですが。
や、実際「CLANNAD」とリンクするところが多かったのはファンとして嬉しい限りです。
アフターなので当然と言えば当然ですけど。
「CLANNAD」未プレイの人も遊べるようにと、
朋也の父親の直幸以外のキャラクターが直接出てくることは無いんですが
話だけなら幸村や春原、美佐枝さんが出てきたりしますし、
背景は何気に「CLANNAD」から多数流用。
十分にあの世界観を出してくれます(´ヮ`*)
★背景
背景は上で行ったように「CLANNAD」からの流用があります。
新規追加分もそれと全く同等のクオリティで描いてあるので違和感は無いです。
うむ、完璧。
個人の好みはどうしようもないですが、個人的にはグラフィック関連最高評価です。
はじめて無印の10点満つけましたし。
いずれにせよ、ハイクオリティであることは間違いない作品ですね。
サウンド
Keyサウンドに外れ無し。
BGMは17曲、ボーカル曲はOPの『Light colors』とEDの『Lift is like a Melody』の2曲のみと、
いつもと比べると大分少なめですがどれも納得の出来。
★BGM
ピアノが主旋律の曲が多く、如何にもKeyらしいですね。
ただ、凄い贅沢言っているというのは分かっているんですが、
『渚〜坂の下の別れ』の様に
トラウマになるくらいガツンと来る曲は無かったですねぇ。
EDテーマのインスト版である『memories』があと一歩! というところでしたが。
まぁこれは評価を下げる事はありません。
つか、
無印でサウンド評価∞の「CLANNAD」がおかしい位ですし^^;
★ボーカル曲
ボーカル2曲はこれまた良いです。
『Light colors』は智代のテーマソングっぽいですが、
でも強さを歌っているわけではなくて頑張っていこうとする意思を感じる曲。
『Lift is like a Melody』は朋也と別れてしまった悲しみと、
それを乗り越えて一人でも強く生きて意向と言う決意を感じさせる曲。
どちらもエンディングを迎えた後に、歌詞の内容を反芻しながら聞くと
キます。
★ボイス
ボイスのほうですが、体験版プレイ時に感じたとおり全然OKでした。
智代役の一色ヒカルさんの声は既に智代として自分になじんでましたし(逆にPS2版CLANNADが不安になる)、
鷹文と河南子の一人二役を演じきった涼森ちさとさんの演技にはただただ脱帽。
いやはや、御見それしました。
ストーリー
ゲームは朋也と智代のラブラブ(
死語)半同棲生活から始まります。
変な選択し選んでバッドにならない限り
一本道のシナリオです。
実は、物語の前提(設定?)上、一本道以外ありえなかったりします(
智代の昔話なので。)
序盤はひたすらギャグばかりですが、
中盤からは家族を守る為に戦う
朋也の漢っぷりが炸裂。
下手するとCLANNADアフターでの朋也を超えるんではないかと言うくらいの漢っぷりですよ、ええ。
終盤はシリアス。
でも例外なく感動を与えてくれます。
そしてそれ以上にしりあすなアフター…
「智代アフター」なのにアフターがあることが驚きですが、
こちらは洒落になってません。
重いです。
下手するとトラウマになるかもしれないです。
月代さんの「智代好きにはお薦めしない」という言が言いえて妙……
ですが、それに見合うだけの深い意味がありますので、是非とも見ていただきたいものであります。
感想・総括
(感想については
12月8日の日記で詳しく書いてありますのでそちらを参考に。
また、この感想、及びリンク先の日記はネタばれを含みますのでご注意を)
「AIR」「CLANNAD」「智代アフター」……
どれも“家族”を描いている作品ですが、それぞれ微妙にフォーカスが違ったと思います。
AIRという作品は母と子の愛を描き、
CLANNADという作品は父と子の愛に重きを置き、
そして智代アフターは夫婦の間の愛を訴えたものだったと思います。
「永遠の愛を誓いますか?」
結婚式で必ず言われるこの文句…
ある意味儀礼的な言葉ですし、全く守られていない昨今ですが
「智代アフター」をプレイした後ではその重さたるや計り知れません……
これほどまでに美しく、潔よく、深い愛情で結ばれた夫婦はいないんじゃないでしょうか。
っと、どうしてもアフターのインパクトが強すぎるので感想もそっちよりになってしまいますね。
当然アフターに行くまでも感動的なお話があります。
鷹文にかかってしまった“呪い”が解けるまでのエピソード。
そして
表のメイン(【真】はアフター)、ともが母親の元へ帰るまでのエピソード。
どちらでも漏れなく泣いています。
前者は本当ーーに、爽やかな感動。
苦しみながら走り続ける鷹文にかけられた「許すよ」の一言……
それが画面に表示された瞬間に
自分の涙腺はえらい事になっていました。
後者は悲しみを含みながらも暖かな感動。
閉鎖的だった村人達が、朋也と河南子に影響を受けて生きる意味を見出していく様、
そして最後には泣きながらも笑顔でともを見送る智代の姿……
泣かないわけがあるか、ドチクショウ。
しかし、それにつけてもやはりアフターなのですよ…この物語は……
はぁ……鬱……ではないけれど、なんだろうか、この余韻は……
やった人にしか分からない気持ちでしょうね、これは……
ちなみに、自分はあのエンディングを受け入れられたからこそこの評価であって、
受け入れられない人にとっては地雷になり兼ねない作品です。
「ハッピーエンド至上主義。誰一人として死ぬことは許さねぇ!」という信条がある方は辛いかも。
ですが、自分だって本来はそういう人間なはずなので、
好みを超越した何かがこの作品には存在していることは間違いないと思います。
さて、それじゃ恒例のランキングへ。
まずはシナリオからー
■シナリオ
とものエピソード≒鷹文のエピソード≧
D&T 別格【アフター】(比較不可能)
一本道なのですが、一応大まかに分けるとこの4つでしょう。
アフターはなんというか……あまりに異色と言うか。
次元が違うので自分には他とは比べられないんです。
おまけ
SRPGの「D&T」の方が異色だろうが!という突っ込みも聞こえそうですが、
「D&T」も侮る無かれ、
自分は泣きました。
初期設定はむっちゃくちゃなんですが、エンディングの収束がこれまた(ノд`)
あのCG、かなりお気に入りだったりします。
では続いてキャラクター。
■キャラクター
朋也>智代≒鷹文>河南子≒とも>侑子さん>管理人さん
漢だね……漢だね朋也くん……
なんというか、今回は朋也のお話といっても間違いないんじゃないでしょうか。
主人公でありながら、誰よりも家族というものを理解しているキャラであり、
誰よりも信念を持ったキャラだったのです。
もしこれからプレイされる方は、出来るだけ朋也に感情移入しないほうが純粋に物語を楽しめると思います。
感情移入というか、シンクロですね。一歩ひいた所から見ると、彼の漢っぷりがより鮮明に見えますから。
しかしやはりさすがはKeyというか……
いやみなキャラが一人もいませんでした。
ともを置き去りにした母親の侑子さんも初めは嫌な人かと思いましたが、
実は凄い悲しい人でしたし(ノд`)
心が温かくなる、という作品とはちょっと違います。
んーーーー、言葉では言い表せないのがもどかしくて仕方ありませんが……
とにかく非常に大きなものを自分の心に残してくれる作品でした。
願わくば、自分も最期には「いい人生だった」と言えます様に。
「人生はかくも素晴らしい!」と言えます様に。
…それでは。
(2005/12/8)
戻る