written by 水城凛さん
あらすじ
矢萩俊平は大学受験に失敗し浪人生活を送っていたがある日、姉のなつみによって
無理やり彼女の経営する予備校の夏期講習のバイトをさせられることになってしまう。
そこでどんな出会いが彼を待っているのだろうか?
システム(95/99点)
操作性がよくセーブやロード等の読み込みが速いおかげで快適にプレイでき
オート機能、未読スキップ、既読スキップ、バックログといった機能があり
(但しスキップ機能は“ふれあいショップ”でメッセージスキップを入手しない限り使用不可。)
バックログはボイスのある箇所ではボイスを再生可能です。
またオプションで顔アイコンの下の登場人物の名前の表示や
画面上の現在流れている曲の曲名の表示の有無を選択できます。
それからこのゲームにはおまけシステムで“ふれあいショップ”というシステムがあり
個々のシナリオを進めている途中や特定のイベントをクリアすることで入手できる
“ふれあいポイント”を“ふれあいショップ”で使うことで
メッセージスキップ、画像閲覧、音楽鑑賞、おまけ画像、フリートーク、???、おまけシナリオを追加できます。
あと些細なことかもしれませんがセーブやロード画面の時
今使っているセーブファイルがどれだか分かったり
ゲーム中ボタンを連打していても選択肢で必ず止まることにも好感が持てました。
敢えて不満を言うならクイックセーブ・クイックロードがないことでしょうか。
ゲームの難易度が高めなことも相成ってそれらがないことが結構気になったので。
グラフィック(70/99点)
キャラデザイン及び原画は
稲垣みいこさんが描かれています。
グラフィックは512×480高解像度のおかげでPSのギャルゲーの中では綺麗な方であると思います。
しかしイベントシーンは製作コストの関係か、背景が描かれてなく枚数が66枚(差分除く)と少なめなのが残念でしたし
立ち絵は制服姿の愛思の立ち絵だけ別の人が描いたのか?と思う位おかしい絵柄だったのが気になりました。
背景グラフィックは実写を加工したものを使用しており非常に綺麗で好感が持てました。
音楽(35/99点)
オープニングテーマは歌っている人が棒読みのように歌っていて歌唱力ややる気を疑いたくなりますし
それにゲーム音楽も場面に合わせて使われてると思うけど単調でインパクトに欠ける曲ばかりで頭に残りませんでした。
ボイス(55/99点)
立ち絵のないキャラにもボイスがついておりヒロイン達のボイスもキャラのイメージとあってると思う。
しかし、世間で言われてるようにまつのと麻弥ちゃんとなつみ姉の声役の声優さんと
他のキャラの声役の声優さんで演技力に差がある(特に愛思役の声優さんのは酷い。もはや棒読み。)のが残念でした。
演出(80/99点)
デモムービーは
◆予告ムービー
◆登場ヒロインの自己紹介
◆オープニングムービー
◆ゲーム序盤の簡単なダイジェスト
の4種類があり4つともセーブデータの内容に応じて若干内容が変化します。
また、立ち絵が固定である代わりに画面左下に顔アイコンがあり
ただあるだけではなくて瞬きしたりボイスにシンクロして口パクしたり
アイコンの上に!マークがでたり?マークが点滅したりと漫画チックな演出がでたりするのは
それがでるタイミングのよさと相成って雰囲気が出ていると思いました。
他にもピー音付の台詞があったりテキストの文字が太めに表示されたり文末に汗マークがついたり
タイトル画面で流れるボイスが最後にクリアしたキャラに応じて変化したりと
色々凝られているだけにスタッフロールが最後に流れる登場キャラからのメッセージが
登場ヒロインの自己紹介のデモムービーと関連性があるのはいいと思うんですが全体的に地味なのが残念でした。
ストーリー(55/99点)
攻略できるキャラは…
◆世話焼きな義理の妹・矢萩美幸
◆無邪気な高校の後輩・香坂遊穂
◆とある事情で予備校に通う中学生・寿まつの
◆眼鏡と三つ編みが特徴の予備校の同僚・橋本千絵
◆アクセサリー作りが趣味の女子高生・椎名愛思
◆一児の母であり予備校の講師と経営を勤める実姉・矢萩なつみ
の6人の他に隠れキャラが1人います。
キャラは脇役が主要キャラを食ってしまってることもないし皆キャラが立っていて好感が持てました。
シナリオは纏まりがよくシナリオボリュームも長すぎず短すぎずでちょうどいいし
奇跡ネタや大事件が起きる展開のあるシナリオもなく(ただし、某キャラのシナリオは除く)
女性キャラの視点でストーリーが展開される場面があったり
安易に登場人物を死なせたり泣きや感動を狙っているシナリオも無く読後感も爽快で個人的に好感が持てましたが
主人公がへタレになったり中身のあるシナリオとそうでないシナリオに大きく差があるのが残念でした。
また、製作当初登場予定だった
◆主人公の住んでるアパートの隣の部屋に住む熱血新聞記者・杉崎忍
◆四角いレンズの眼鏡とツインテールが特徴の外交的な性格の女子高生・宮本裕美
◆容姿が愛思に似ている謎の人気アイドル・麻宮きらり
の3人が登場しなかったのも残念でした。
↓以下ネタバレ
◆美幸シナリオ
このシナリオだけ俊平がへタレになるのが非常に気になりました。
それに美幸が自分がいなくなったらどう思う?と俊平に尋ねてくる場面、
普通あの選択肢でいうなら「お前がいなくなるのは寂しいな。」と答えると思うんですが…。
「別に、今と変わんねーんじゃねーの?」という選択肢を選ばなくてはいけなくした書き手の意図が理解できません。
その後の展開も俊平は美幸の気持ちを考えてないのかしら?と思うようなものばかりで白けました。
あと再会のシーン、美幸がコギャルみたいな格好で登場するのはどうかと。
◆遊穂シナリオ
彼女には実は魔法の国から修行の為にやって来たユーホという名前の魔法使いで
主人公達との関係は少女漫画を参考に魔法を使って作成したという
ゲームの世界観をぶち壊すような設定があるのでこのゲームの中では最も賛否分かれると思います。
個人的にはその設定は意表を突くという面ではありだとは思うし
シナリオも遊穂の魅力が溢れてて麻弥ちゃんの活躍と相成って面白いシナリオだったと思いますが
俊平が遊穂の兄に似ているという話題があまり触れられていなかったのが気になったので具体的に触れて欲しかったですね。
◆まつのシナリオ
翠ちゃんからまつのが変な大人に近づいたり生意気な態度とる理由を聞いた俊平が
まつのと彼女のクラスメイト達と仲直りさせるべく奮闘する姿や
翠ちゃんの謝罪を聞いた後のまつのの心情の変化が丁寧に書かれてて好感持てました。
ただラストの展開がちょっとあっさりしているかな?という気はしましたが。
◆愛思シナリオ
愛思がOLがアクセサリーを注文したことが悪ふざけでやったことだと知り落ち込んでしまうものの
その後作ったアクセサリーを俊平と美幸が売っている所を見て立ち直っていき
俊平との仲はさらに発展していくといった展開は在り来たりながらも読み応えあったと思うけど
前述のように棒読みボイスのせいで感情移入しにくいのが残念。
それにしても…平気で人を騙すような大人にはなりたくないですな。
◆千絵シナリオ
義理の兄に失恋したこととか話を面白くできる設定があるのにそれを生かせておらず
特に盛り上がるような展開がなく俊平と千絵さんが結ばれて終わりとしたのは手抜きですな。
それに彼らより美幸に感情移入しがちな所も残念でした。
余談ですが水着を試着するシーンで着ていた水着が下着にしか見えない気が。
◆優気シナリオ
隠れキャラ。ストーリー展開や雰囲気は悪くないと思いますがシナリオのボリュームや中身が薄いと思います。
ところで再会シーンの会話ですがあの間2人は何をやってたんでしょうか?ファンの間では妖しい噂が絶えないようですが…。
◆なつみ姉シナリオ
俊平達の前ではああいう勝っ気のあるキャラなんだろうけど旦那の前ではデレデレさんなのかもしれませんね。
彼女と俊平がどちらが踏み台になるかもめる会話を美幸がえっちい話と勘違いする場面が笑えました。
■おまけシナリオ1
千絵さんの過去や彼女が夏期講習のバイトに採用された過程が分かるシナリオ。
ところでなつみ姉、千絵さんが予備校に来た時点で即採用ってあまりに唐突じゃないかい?
■おまけシナリオ2
皆さんキャラ変わり過ぎですよ。特に麻弥ちゃんは親しみやすいお嬢様というキャラから
「まにゃ。」が口癖のボケボケなギャグキャラになってますし。
みゆっちがまーにゃの決めゼリフを読むのを恥ずかしがるシーンとオチが笑えました。
ねこねこソフトさん辺りがこういった内容のおまけシナリオをやりそうですね。
■おまけシナリオ3
主人公が6股かけてるのが判明するシナリオ。あれじゃあ俊平も美幸も殺されて当然でしょう(苦笑。
難易度(3/5点)
選択肢は少ないものの引っ掛けのあるものが少しあり
(個人的に美幸シナリオの最後の選択肢がこのゲームで最も選び間違いやすいと思います。
というより個人的には何故あの選択肢を選ばなくていけなくしたのかが納得いかなかったり。)
フラグ管理が厳しいせいか一つでも選び間違えるとバッドエンド確定になる可能性が高いので
選択肢が出現したら即セーブを心掛けた方がいいと思います。
クイズのイベントは出題問題のジャンルの種類が豊富なので苦戦するかもしれません。
感想・総括(60/99点)
シンプルシリーズのゲームは出来が悪いのが多いし
このゲームは元は同人ゲームとして製作されていたものだと聞いていたので大して期待してませんでした。
実際プレイしてみるとシステムは非常に快適だし他の面も悪くはないと思いますが
歌がしょぼかったり声優さんの演技力にバラツキがあったり
まつのシナリオと愛思シナリオと他のシナリオで大きく差があったのが残念でした。
ところでどうでもいいことかもしれませんが、このゲームのメインヒロインは愛思でなくて美幸では?
■シナリオランキング
まつの>愛思>>遊穂>美幸>千絵さん=隠れキャラ=なつみ姉
■キャラランキング
遊穂>まつの=なつみ姉>麻弥ちゃん>美幸=千絵さん>隠れキャラ≒愛思≒翠ちゃん
【コメント】
ということで水城凛さんによるレビュー第一弾です。
自分は純粋なシンプルシリーズ(Ever17は移植ですし)とかの廉価ソフトはやったことが無く、
安直なイメージで「安い=出来が悪い」みたいに思っていたんですが…
それはかなり間違った印象だったようで。
特にムービーが進行状況によって変化する点なんて、
あまりに予想を超えていて驚いてしまいました。
まぁ音周りに廉価ゆえのムラは出てしまっているようですが、
それでも話を聞く限りなかなかしっかりとした作りなんですね。
シナリオにおいてもある意味、「王道ゆえの安定感」みたいなのがあるのかも?
一部ぶっとんだ設定のキャラもいますが^^;
……なんでライターさんはそんな遊び心を全開にしたのだろう(汗
そして一番驚いたのが攻略対象キャラに子持ちの実姉がいること。
実姉て!!
いや、18禁じゃないですしそんなに拙いことは無いんでしょうが、何となく(汗
さて、ということで意外な発見(?)となった今回の投稿レビュー。
ちょっとシンプル恋愛シリーズに興味湧いたかも知れません。
……なんかこう書くと淡白な恋愛に憧れてるみたいだな(´ヮ`;)
んではありがとうございましたー
(2005/9/21)
(2005/9/22 コメント追加)
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