子曰く、「こんな伏線があるゲームは後にも先にもEver17以外存在しないよ」と。

Ever17 -the out of infinity- Premium Edition(KID

やってた時期の日記
あらすじ

2017年5月1日…
海洋テーマパークLeMU(レミュウ)にて謎の浸水事故が発生。
完全浸水を防ぐために次々と閉まっていく水密扉……
事態が沈静化したとき、巨大な監獄と化したLeMUの中には数人の生存者が閉じ込められていた。

エレベーターや非常階段は水没、外部との連絡も取れない。
更に、確実に迫り来る耐久限度……そして未知のウィルス……

救助を待ちながらも何とか脱出方法を模索する生存者達。
そんな中、徐々に明らかになっていく陰謀……そして真実。

  い
か つ て 交 わ し た 約 束 と 。
  か
  還
  る
  べ
  き
  場
  所
  へ
   ゜
果たして彼らは生きてLeMUから脱出する事ができるのか。
隠された真実へと辿り着く事ができるのか。

そして……

辿り着いた先に待つものは一体……“誰”なのか。
システム

特別問題無し。
流石にPS2に移植されたと言う事もあって、
既読スキップやオートプレイなど大凡必要なものは全て揃っていますね。

セーブシステムがセーブファイル60個、クイック(&オート)セーブが30個とあまり見ない形式。
話の区切り毎、そして選択肢毎に自動的にセーブして有難いんですが、
ロードするとそれ以前のクイックデータが全部消えるという仕様は果たして正解だったのか……。
まぁその代わりと言うか、5月1日〜7日まで好きな日から
再スタートできるショートカットが有ったのは良かったです。

ただ露骨にマイナスな所も少なからずあります。
まず致命的なのはバックログでページ送り出来ない事。
ログの保存量は大満足なのですが、読み返すのが非常〜に面倒です……。
なんで1行ずつしか送れないようになっていたんでしょうかねぇ。

あとはうちのPS2の調子もあるのかも知れませんが、
スキップがちと遅い印象を受けました。
立絵が変化する際に全てディスクを読み込んでいるようで、
飛ばしたい所で中々飛ばなかったりしたのがきつかったです。
Fate」の様にシーンごとのスキップがあれば尚良かったですね。

……と、なんだかんだ言いながらも普通にプレイする分には影響は無かったと思います。


っと、忘れてはいけないのがクリア後に出て来るメニューの『Special』…
俗に言う“おまけ”なんですがこちらがとても優秀と言うか嬉しいと言うか。
全てのシーン・テキストを読むと言うことがこのゲームにおいてはかなり重要なことなので、
自分のプレイ進行状況をリアルタイムでナビしてくれる『Clear List』の存在はかなり有り難かったです。

そして『Album』『Juke Box』も他のゲームとは一味違い、
『Album』で選択したCGが『Juke Box』演奏中の背景としてスライドショーになるという憎い演出もありました。
その仕組みに気付くのに偉い時間かかりましたが。
グラフィック

好きです、こういう絵柄。

初め公式サイトで絵を見たときは「なんかのっぺりした絵だなぁ」とか思っていたんですが、
実際「Ever17」の世界に入ってみると違和感無いどころか、
むしろ一瞬で好きになってしまいました(笑)

CGは『Premium Edition』(以下PE)ということで
新規に追加されたもの等もあり結構豊富(←数えるのが面倒になっている)。
や、1枚絵&ワンシーン限りで使われる方が少ないくらいで、
CGも立絵の延長線上……もとい演出の一部としてあって中々良かったです。
全体的に違和感はあまり無いのですが……ココの1枚だけは違和感バリバリでした。
なぜ急にロリフェイス!?


立絵はそれほど多く無かったような。
状況が状況だけに衣装チェンジなども無く、それは仕方の無い事だったと思いますが。
あ、ただ表情のみ変化っていうのが少なくて、感情を全身で表しているのはとっても好感でした。
そんな風に一枚一枚描いたせいで立絵少ないのかも知れませんけれど。

こちらもPEということで大分新規に追加されているようです。沙羅水着万歳(ぉ
……しかし『彼ら』『彼女ら』の立絵無しでココ編を語るのは相当無理があると思うんですが……。
初代(ノーマル)では一体あそこらへんどう表現していたんでしょうね?


背景は何とも言えずノーマル。雰囲気は良く表せていたと思います。
しかしOPを初めとする諸ムービーやLeMU構造図など、
3DCG?と普通に塗られたCGを比べると凄まじく格差があるのはどうでしょうか(苦笑
サウンド

BGMはまさにBGMというか。
1曲1曲のクオリティはそこまで高くは無いです。
でもその代わり「Ever17」の雰囲気を演出するのには最適だったと思います。

珍しいのはBGMの殆ど…というか全てがドイツ語表記な事。
お陰で読めないこともしばしば(笑


ボーカル曲はOPの『LeMU 〜遥かなるレムリア大陸〜』とEDの『Aqua Sprite』、
そして挿入歌として『Der Mond Das Meer』(沙羅ver.&ココver.)の4曲です。
それぞれについてちょっと説明と言うか感想を。

・『LeMU 〜遥かなるレムリア大陸〜』
 KAORIさんの歌う「Ever17」の世界を最も如実に表す曲。
 ゲーム始めて速攻でこの曲に落とされました……。
 それとクリア後にこの曲の歌詞とOP見ると凄まじくネタばれ?である事に気付きます。
 「See it together」なんて歌詞なんて……ねぇ?(笑

・『Aqua Sprite』
 空のCVでもある笠原弘子さんの歌う南国〜な1曲。
 世界観からはかけ離れているんですが、エピローグの後に聞くと凄い爽やかな気分にしてくれます。

・『Der Mond Das Meer』
 意味は「月と海」。まんまつぐみの子守唄ですね。
 沙羅役の植田佳奈さんが歌うのと、ココ役の望月久代さんが歌うバージョンがあります。
 悲しいような優しいような旋律。聴いていると眠くなるのは仕様ですか?


ボイスの方ですが、「豪華すぎる」と言われる位に豪華、ですね。
非18禁というのを最大限に利用した豪華なキャスティングです。
皆さんキャラに良く合った演技をなさっているんですが、特に主人公役の保志総一郎さんは凄いです。
ですしね……。
ただ、がちと幼すぎる気もしましたが^^;
ストーリー

恐れ入った……

お話は偶然事故に巻き込まれた大学生の倉成武と、
記憶喪失の少年の二人の視点から紐解いていきます。
それぞれ2人ずつヒロインをクリアした後にグランドフィナーレへと向かうココ編がプレイできるようになるんですが……

何と言うか、全編通じて謎&伏線が多すぎです。
初めから謎を解こうと思って挑んでいるともう疑心暗鬼に陥って何が本当で嘘なのか分からなくなります^^;
や、伏線の張り方と、最後のココ編での謎の解き明かし方は見事の一言。
意味あるように見せかけて実は無いと思わせておいて、クリア後に振り返ってみると実は凄い意味深だった、
っていうなんとも複雑な心境にさせてくれる事実が沢山隠れています。
例えば、空の「見られることによって初めて存在する」という言葉もBWが分かってからは超意味深(笑

しっかし……
BWの存在ばかりはいくらなんでも推理は無理でしたよ……_| ̄|○

そして……
これほどまでに謳い文句(恋愛アドベンチャー)と公式のあらすじ(パニック物を彷彿)と、
実際の内容が激しく異なるゲームも珍しいんではないだろか。
恋愛っちゃ恋愛ですけれども、それを前面に出すのは嘘です^^;
そして登場人物たちは皆さん肝が座っておられるので命の危機では取り乱しません^^;
水も食料も空気も豊富にありますしネ……

まぁそんなギャグは置いておくとして、
兎にも角にもこんなにも見事にトリック張られたゲームは初めてでした。
もしここまで読み進めた方でまだ「Ever17」をやられて無い方はまだ遅くはありません。
今まで読んだ事を記憶の彼方へと追いやり、すぐにこのページを閉じてください。
是非貴方もこの巧妙に仕掛けられた罠に嵌ってみてください。
感想・総括

面白かった!

まず第一の感想はこれになりますね。
謳い文句ほどのパニック物な緊迫感はありませんが、冒頭と終盤は中々スリルがありますし、
散々言って来た通り物語に仕掛けられたトリックが巧妙で、
謎が一つ解けるたびに「なるほどぉ」とか「なんだって!?」と漏らしていました。
一部ではギャグが電波系で寒いという評価も聞きますが、自分的には笑いも結構クリーンヒット。
特に優が頑張ってくれましたね(笑

や、しかし自分にしては珍しく推理頑張りながらプレイしました。
もっとも外的要因から推理したりとか反則も多かったですけれども。
でも本当にプレイ期間中は寝ても覚めてもずっと「Ever17」の事を考えてましたね〜…。
気になった所を忘れないように態々メモを取りながら。 
最終的には夢にまで出てきましたからね。「Ever17」のキャラが出て来る夢ではなく、
プレイしながら自分が推理しているというある意味病的な夢を。


んではまた恒例のランキングへ〜。

■シナリオ
 ココ>つぐみ≒優≒沙羅>空

シナリオランキングはこの様になりましたが、
「Ever17」の性質上、シナリオに順位をつけるのは実はちょっと難しかったり。
全てはココ編……というかグランドフィナーレへの布石ですし。


今回キャラはちゃんと感想&解説付きで行ってみます。順位下の方から。

■キャラクター
 つぐみ≒沙羅≒優秋≒優秋≒空≒ココ>桑古木≒武≒ホクト≒BW

▼ブリック・ヴィンケル
「Ever17」最大のトリックにして作者の遊び心(?)の集約した登場人物。
いやはや……彼の存在には気付く由もありませんでしたよ……。
なんたって自分は完全に彼と同化してしまっていましたから。
絶対の客観的観測者……それすなわちゲームのプレイヤーその者也。
あっしにゃ海底119mにダイブする根性はありませんが。
▼ホクト
「Ever17」最大のトリックの一端を担った主人公の一人。
物語の進捗状況によって精神年齢が偉く変わるのが特徴かも(笑
幼いルックスとは裏腹にキュレイの影響で驚異的な身体能力を持ってます。
沙羅編でのあの暴れっぷりは尋常じゃないでしょう。
エピローグ〜グランドフィナーレでのファザコンっぷりも中々の見物。
▼倉成武
偶然事故に居合わせただけなのにありえないくらいの漢っぷりで活躍した一般人な彼。
そして不死身の悲しき女子やら、AIやら余命幾許も無い元気娘を悉く落とした主人公
って言ったら聞こえ悪すぎますか(笑
しかし彼の生に対する姿勢と仲間を思いやる気持ちはストレートで胸に響きました。
「俺は死なない!」は間違いなく名言ですしね。
Trueエンド後の身の振り方が最も気になる人物の一人。
▼桑古木涼権
武視点の少年にして少年視点の武という複雑な位置づけ。
…っく、桑古木の真実にもっと早く気付けたのなら一気に謎は解けていたのに……。
男3人の中で彼が(一応)一番上なのは偏に彼が待ち続ける漢だったから。
好きな女の子を救うために自らを殺し(≠殺害)、騙したくない人を騙し、
憧れの漢を演じ続けたというその健気さに惚れました……。
尤も、その恋は成就することなく物語りは終焉してしまいましたが(ノД`)
個人的には、彼と優春がくっついて貰いたかったですね……キュレイキャリア同士ですし。
▼八神ココ
イモムゥーやひよこごっこを愛する電波系ちょーのーりょく者。
や、本当にどうしたものかと思いましたよ……。
ココも第三視点を使えるというのはちと予想を上回る事態だったりもしました。
っていうか、今考えるとココはBWよりも更に外側から「Ever17」の世界に介入していたような。
覚醒しかけのBWに働きかけたりなんかもしちゃってましたしね。
八百比丘尼の如く最愛の人を待ち続けたココ……報われて本当に良かったです。
▼茜ヶ崎空
セクスィなチャイナドレスを身にまとったやまとなでしこなお姉さん。
しかしてその正体はLeMMIHシステムの一端のAI、ホログラムによって形作られる実体無き存在。
CVの笠原弘子さんの名演も相まって、ゲーム中で最もピュアで…ココよりも幼い“人物”になりましたね。
グランドフィナーレにて奇蹟?により実体を得た彼女。
さて……果たして武に24歳らしいギラギラしたアタックを仕掛けるのでしょうか?(笑
▼田中優美清春香菜
少年視点での事故の黒幕であり、ある意味「Ever17」で最も狂気に走った人。
生に縋る人間と言うものは神への背徳も成してしまうんでしょうかね……
優秋がクローンと言うのは気付けましたが、
まさかLeMUに来た時点でもう出産経験者だとは思っても見ませんでした。
武とココを救う為に過ごした17年間でかなり大人に成ったようでしたね。
しっかし、HIMMELの扉に強烈なドロップキックを喰らわした彼女は本当に病気だったのか?
▼田中優美清秋香菜
優春の娘にして同じ遺伝子を持つというクローン。
優春の元気さを受け継ぎ、更に進化させたらしく高校時代にはレディースに入っていた模様(笑
彼女が個人的な笑いのツボにはクリーンヒットしましたね。謎DJとか。
自分の出生を知った後も、優春を母親と認めてくれたようで安心しました。
……って、お?
5年経つと母親と同じ外見。そしてそれ以降は娘の方が年上という良く分からない状態になるのか……
……色々と複雑そう(汗
▼松永沙羅
沙羅水着万歳<またそれか
ホクトの双子の妹にして武とつぐみの娘。
兄とは対称的に頭脳の方でキュレイの影響で非凡さを見せる。
の割りにやたらと語尾に「ござる」をつける言動はどうなのか。
その明るい言動とは逆に、常にライプリヒの監視下に置かれ、実験を受け……
そしてまた家族の愛に飢えていた彼女……
兄と、両親を同時に得たグランドフィナーレ……きっと楽しい毎日が沙羅を待っているでしょう。
▼小町つぐみ
「Ever17」のメインヒロインである薄幸な不死身の女性。
あれで40歳と言うのは詐欺だと思うのだが、どうか。
キュレイキャリアとして適合してしまったが為に死ねない体になってしまった彼女。
行き場の無い哀しみを、自らの体と、生きる事への憎悪に変えていたところを武に救われる……も、
その最愛の人は海の底へ……。更には忘れ形見の子供たちもライプリヒに奪われ……
…………(ノД`)
そんな彼女ですが、グランドフィナーレにて最高の幸せを手に出来ました。
つぐみ視点と言う事でその顔は出ませんでしたが、
彼女の幸せそうな笑顔は想像するに難くありませんね。
キャラランキング、過去最多の“≒”の多さとなりました。
なんて言ったらいいのか……みんな本当にいいキャラなのですよ。
みんながみんな、何かに向かってストレートに生きていると言うか……
や、とにかくこれほどまでに順位のつけられないキャラランキングは初めてなのでした。

そしてこの「Ever17」。
今までやったゲームの中で一番アフターを見てみたい作品の一つでもあります。
だって、だってですよ?
20歳の夫に実年齢40歳外見17歳の妻…しかもこの2人は(多分)年を取らず、
その2人の間には16歳の双子(こちらは年を取る)がいるって言うんですから……。
5年後、あるいは10年後には一体どんなことになっているのやら(笑
それにそんな事だけでなく、空や、田中母娘、桑古木がその後どうなるかも非常に興味ありますしね。

……

ということで無事終えた名作「Ever17」。
そのトリックと、謎解きには本当に舌を巻くばかりでしたね。
こげな謎解き、そうそうあるもんではないだろうに。
……あるとしたら、「ひぐらしのなく頃に」…かぁ……_| ̄|○
「このみのなく頃に」でトラウマになりかけてる自分には些か荷が重過ぎる……
それでは。

(2005/4/12)

戻る

WEBはくす(ご意見・ご感想など)
お名前:  秘匿希望: